トラブルを避けたい方へ!敷金トラブルの対処法とは
最近、敷金のない賃貸物件が増えてきています。確かに「敷金ゼロ」と聞くと魅力的に感じますよね。しかし、安いという理由だけで敷金ゼロの物件を選んだり、敷金についてよく知らないまま物件の契約をしたりすると、トラブルに巻き込まれる可能性も。今回は、敷金ゼロの物件がある理由とよくある敷金トラブル、その対処法についてご紹介します。
敷金がかからないのには理由がある
そもそも「敷金」とは、賃貸物件を借りる際に、借主が貸主に支払うお金で、家賃の1~2か月分が相場です。そのお金は担保という形で預けており、何もなければ退去時に全額返ってきます。
しかし、入居中に故意に物件を汚損、破損してしまった場合や、家賃を滞納した場合はその金額が敷金から差し引かれます。このように担保としての役割がある敷金ですが、なぜ敷金ゼロの物件があるのでしょうか?
■原状回復費が別途請求されるから
敷金ゼロの物件は、退去時に原状回復費やクリーニング代として別途請求される場合があります。だいたい敷金1か月分と同じ費用か、場合によってはそれ以上かかりますので、結果的に敷金のある物件より費用が高くなってしまう可能性があります。
■空室が続いているから
敷金がかからない物件には、「築年数が経っている」「日当たりが悪い」「駅から遠い」「近くの入居者が騒がしい」などの理由で空室が続いているところが多いです。早く入居者を見つけたいので敷金をゼロにしているという可能性が高いのです。ですので、お得というだけで物件を決めるのではなく、内見時に物件や周辺環境を確認しておきましょう。
■ほかの部分を増額しているから
敷金ゼロの物件は、家賃が高めに設定されていたり、すぐに解約すると違約金が設定されていたりなど、ほかの部分で敷金と同程度の金額を支払うような仕組みになっていることがあります。敷金だけにとらわれず、家賃やそのほかの費用を周辺の物件と比べてみましょう。
よくあるトラブルと対処法
敷金のある物件に入居し、安易に「敷金は何もなければ全額返ってくる」と考えていると、退去時にトラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。そういったトラブルにあわないためにも、よくあるトラブルと対処法を確認しておきましょう。
■綺麗に使っていてもクリーニング代がかかってしまう
敷金は、退去時に家賃の滞納分と原状回復費を差し引いた額が返ってきます。「原状回復」というのは、入居前と同じ状態に戻すことではありません。経年劣化や通常住んでいてついた色褪せ、家具を置いたことによるへこみなどは貸主が負担するものです。
しかし、入居時に交わした賃貸借契約書の中に、特約として「退去時のクリーニング費用や原状回復費用を借主が負担する」という旨の記載がある場合、いくら綺麗に部屋を使っていても、退去時に敷金からその費用が差し引かれてしまいます。賃貸借契約書はなんとなく見ている方も多いですが、契約を結ぶ際に敷金から差し引かれる内容や金額が書かれていないか、確認しておくことが重要です。
■自分がつけた傷ではないのに原状回復費がかかってしまう
部屋についた傷や汚れが入居前からあったのかものかどうかわからないと、入居中に故意に汚損、破損したものと思われてしまうかもしれません。その結果、退去時に原状回復費用を多く払うことになる可能性があります。それを防ぐためにも、入居時に傷や汚れを見つけたら、写真を撮って日付入りで残しておくと安心です。
敷金なしの理由を確認してから契約しよう
引っ越しの際には初期費用を抑えたいため、敷金ゼロの物件はとても魅力的です。しかし、なぜ敷金がないのかを確認しておきましょう。敷金がかからなければ、入居時は費用を抑えられたとしても、退去時に原状回復費やクリーニング代として高額な費用がかかってしまう可能性があります。
また築年数や日当たりの悪さなど、住みにくい事情があるために敷金をゼロにしている物件や、敷金がない分家賃が高めになっている物件もあります。トラブルにならないためにも、わからないことや不安なことは不動産会社で質問したり、内見で確認したりしておくことが大切です。
また敷金がある物件も、退去時にトラブルに巻き込まれないよう、契約を結ぶ時に書類を細かく確認することが重要です。入居時には部屋に傷や汚れがないか、確認しておきましょう。敷金ありの物件もなしの物件も、それぞれメリット、デメリットがありますのでご自身にあった物件を検討してみてください。
今回は敷金ゼロの物件がある理由と敷金トラブル、その対処法についてご紹介しました。敷金がかからない物件にはそれぞれ理由がありますので、不安なことは内見時や契約時に確認しておきましょう。また、敷金トラブルに巻き込まれないために、契約書の内容を確認することや入居時に部屋の状況を確認することが大切です。敷金あり、なしの物件の特徴を理解したうえで、ご自身にあった物件を探してみてはいかかでしょうか。